人間に生まれたとは宝くじに大当たりしたようなもの

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人間に生まれるということはどういうことか。

例えでいうと、「次何に生まれるか」ということが決まる

宝くじ売り場でくじを買い、

ドキドキ・ワクワクしながら

結果を、当選番号が書かれた新聞で丁寧に調べ

「やったぁぁぁああああー、
 人間にあたった、次は人間だー」と

喜びの涙を流しながら、「人間」というくじを当てたようなものです。

同じ時期に、くじをひいたものたちは

「ゾウリムシ」
「ねずみ」
「蟻」

など様々なものに、決まり、それぞれの生へと旅立っていきます。

確率から言えば、人間に生まれるなんて、ありえないことです。

昆虫だけで言っても、

イギリスの昆虫学者 C・B・ウイリアムスによると、

地球上の昆虫の数は約100京匹だそうです。

京というのは兆の一万倍ですから、気が遠くなります。

大体の人は、昆虫、海の微生物に生まれて弱肉強食の世界

に飛び込みます。

少々幸運なものが、ライオンや狼となって、弱い動物を

追いかけ回す側になれるかもしれません。

遺伝子工学の第一人者、村上和雄筑波大学名誉教授は

「この世に人間として存在していることは、

1億円の宝くじが百万回連続で当たったほどの幸運なのだ」

とも語っていますが、確かにそうだと言えます。

年末ジャンボ宝くじの一等賞でさえ、2000万分の1です

ので、その比ではありません。

だから全ての人は、生まれる前に、

その大変な確率で、当たりくじを当てることができたのです。


しかし、現実宝くじは、くじにあたっただけでは、ダメです。

実際の宝くじの券自体はだたの紙切れに過ぎません。

食べることもできませんし、鼻をかむのにも小さすぎて不便です。

どれだけ当たりくじを眺めていても、何も起きません。


当たり前ですが、換金しなければならないのです。

日本で高額当選をした場合の換金方法ですが、5000万円以上

の場合は最寄りのみずほ銀行本支店に持って行って下さい。

そこで、一生かかっても使い切れなさそうなお金を手にいれる

ことができます。


実は、人間に生まれたことは、確かに宝くじに当たった以上の

ことなので、大変に喜ばねばならないことなのですが、

その当たりくじをどこに持っていけばいいのか、それを知らない

人が多くあります。

途方にくれて、

当たりくじをじっと見つめていても、何も起きません。

当たりくじの成分を調べても、何も分かりません。

宝くじの歴史を調べても、納得はありますが、喜びはありません。


さらに当たりくじであるはずの人間に生まれると、

色々な困難苦難に見舞われます。

朝から晩まで身を削って働いている人もあるでしょう。

私の人間という命、大切な当たりくじを維持するだけでも

大変です。

そして、何と当たりくじを固く握りしめたままで人生を

終えてしまう人もあるのです。


そんな私達に、仏教は、

「人身受け難し 今已に受く」(お釈迦様)

「生まれがたい人間に生まれることが出来て良かった」

という喜びがあるのだと教えられています。

その当たりくじをどこで喜びにかえることができるのかを

学んで頂きたく思います。