テキシアジャパン詐欺の手口
テキシアジャパンホールディングスという会社があり、
その会長である銅子正人容疑者が逮捕されました。
その会社は、
「1口100万円出資すると毎月3%の配当が支払われる」
「1年後には元本を償還するか、引き続き契約を継続するかを選べる」
とうたい、1万人以上の会員から460億円以上集め、それらを
運用して利益獲ているとのことでしたが、それらがすべて嘘で
あったという容疑がかけられています。
愛知県警によると、出資者をランク分けし、
一般会員、エバンジュリスト、マネージャー、ディレクターとして、
出資額によって、分けていたそうです。
昇格すると、配当が増える仕組みで、それぞれのディレクターの
下に、ピラミッド状の会員組織ができ上がっていたそうです。
私の知り合いにも
「元本保証です」
「高額の配当金が獲られます」
という内容に出資すると、しばらく配当があって、そのうち停止し、
元本が返せないと言われてお金が返って来なくて困っている人が
あります。
大事なことですが、世の中の大事な事実を紹介します。
「本当に儲かるなら、銀行からお金を借りて自分でやります」
「リスクがあるから、他人に紹介して、失敗すれば自己責任ですよと言えばいい」
ということを平気で考える人が、沢山いるのです。
素性も知らない、過去もしらない、
本当に信用できるかどうか分からない人間に
お金を出資できるのは、
ひょっとしたら儲かるかもしれないという欲の心からでしょう。
人は欲に殺されるのです。
仏教では「貪欲(とんよく)」と言います。
考えさせられる話を紹介します。
---------------------------------
◇みんな欲に殺される ~あんな広大な土地はいらなかったのだ~
昔、隣接する大国と小国があった。
人口が少なく広大な土地が遊休している大国にたいして、
小国は、人口密度が高く狭小な土地を取りあいコセコセしていた。
大国の王様があるとき、小国の農民たちに触れを出した。
「オレの国へくる者には、土地をほしいだけ与えよう」
「王様、ほしいほどとおっしゃいますが、本当でございましょうか」
半信半疑でやってきた小国の農夫たちはたずねる。
「ウソは言わない。見わたすかぎりといっても区切りがつかないから、
おまえたちが一日歩きまわってきた土地を与えることにしよう。
ただ一つ条件がある。
朝、太陽が昇ると同時に出発し、角々に標木を打ち、
太陽の沈むまでに出発点にもどることだ。
その間、歩こうが走ろうが、おまえたちの勝手だが、
一刻でも遅れれば、一寸の土地も与えぬから注意せよ」
農夫たちは、その広大さを想像して胸おどらせた。
さっそく一人の男が申しでて翌朝、太陽とともに出発した。
最初は歩いていたが次第に足が速まり、
やがて小走りになり、本格的に走り始めた。
歩くよりも走れば、それだけ自分の土地が広くなるという欲からである。
当然、標木を打って曲がらねばならぬ所にきていても、
欲は、もっともっとと引きずった。
太陽が中天に輝いていることに驚き、標木を打って左へ曲がって走った。
昼食も走りながらすませる。
午後は極度に疲れたが、服も靴も脱ぎ捨てて走った。
もう夕陽になっている。
足は傷つき、血は流れ、心臓は今にも破裂しそうだ。
しかし今倒れたら一切が水泡になる。
彼は出発点の丘をめざして必死に走る。
そのかいあって、太陽の沈む直前に帰着したが、
同時に彼はぶっ倒れ、後はピクリともしなかった。
王様は、家来に命じて半畳ほどの穴を掘らせ、
農夫を埋めさせて、つぶやいたという。
「この農夫は、あんな広大な土地はいらなかったのだ。
半畳の土地でよかったのに」
農夫だけではない。みんな欲に殺されるのだ。